壁付けキッチンのすすめ。そろそろ対面キッチン見直しませんか?
近頃はアイランドキッチンなどの対面型のキッチンがもてはやされていますね。
賃貸マンションの築浅物件では、もれなく対面キッチンが採用されています。
たしかにうまく使いこなせればオシャレで洗練されたイメージですが
今回はあえて壁付けキッチンの魅力をお伝えしたいと思います。
なにを隠そう、わたしは完全に壁付けキッチン派。
皆さん。
対面キッチン、うまく使えてますか?
カウンターの上に物が乱雑に置かれていませんか?
胸に手をあてて考えてみましょう。
自分が求めていたオシャレキッチンの姿を・・・
目次
- キッチンの種類 (壁付、カウンター、アイランド、セパレート、独立型)
- 対面式キッチンのメリット
- 対面式キッチンのデメリット
- 壁付けキッチンのメリット
- 壁付けキッチンのデメリット
- 提案
- まとめ
1.キッチンの種類
まずは簡単にキッチンの種類から確認していきましょう。
①壁付けキッチン
その名の通り、すべての作業スペースが壁付けされているキッチン。
壁にむかって調理をするスタイル。
②カウンターキッチン
ダイニングに向かってカウンターを設置し、その裏に作業スペースを設けたキッチン。
ダイニングやリビングに向かって調理をするスタイル。
③アイランドキッチン
ダイニングの中に作業スペースがポツンと島のように配置されたキッチン。
アイランドの周囲をぐるぐる回ることができる。
ダイニングやリビングに向かって調理をするスタイル。
④独立型キッチン
ダイニングやリビングから独立しているキッチン部屋。
料理に集中スタイル。
と、大きくわけるとこれくらいでしょうか。
また、その中でもさらにL字型かI型かⅡ型にするかで使い勝手が変わります。
(1)L字型
調理スペースがL字に配置されているキッチン。
移動距離が少ない。角がデッドスペースになりがち。
(2)I型
調理スペースが一列に配置されているキッチン。
横への移動距離が長くなりがち。
(3)Ⅱ型
調理スペースが平行に二列配置されているキッチン。
振り返るだけで背面に収納しているものに手が届くので移動距離が少なくて済む。
これらの中でカウンターキッチン・アイランドキッチン・Ⅱ型がダイニングに向かって料理をする、対面式キッチンと呼ばれるものにあたります。
2.対面式キッチンのメリット
キッチンの種類をざっくり理解したところで、対面式キッチンが好まれる理由について考えてみましょう。
①ダイニングやリビングにいる家族や友人と会話が楽しめる
②テレビを見ることができる
③こどもの様子を見ることができる
④来客時、キッチンスペースの手元のごちゃつきを隠せる
⑤料理の臭いがリビングに拡散しにくい
⑥収納が多い
と、このあたりでしょうか。
ひとつづつ検証してみましょう。
①家族や友人と会話が楽しめる。
確かに、会話は楽しめます。ですが、対面でなくても実現しそうですね。
どうしても顔を見て会話したいなら話は別ですが、おそらく会話相手も視線はテレビやスマホに向かっており、料理中の自分も顔を上げるタイミングはそれほど多くないと推測します。
よって、メリットとして却下。
②テレビを見ることができる。
たしかに見ることはできますね。けれど、リアルタイムで見たいほど大事な番組ですか?後から録画やネットでじっくり確認したほうがよくないです?
テレビの音、聞こえますか?
むしろ、それほど楽しみにしている番組なら、その時間を避けて料理を済ませるべきです。
よってメリットとするにはパンチが弱いですね。
③こどもの様子を見ることができる。
少し目線をあげるだけでこどもの様子が確認できるので、これはメリットといえるでしょう。ただし、カウンターの真裏など、死角ができてしまうのも事実。
死角から出るリビングでこどもが過ごしている場合のみ働くメリットといえるでしょう。するとどうでしょう?会話はできますか?ほんとにこどもの異変に気付くことができるのでしょうか?少し疑問が残る点です。
④来客時、手元のごちゃつきを隠せる。
カウンターを設置したときに限りますが、慌ててお茶やお菓子の用意をした残骸が調理スペースに散らかっていても一時的に隠すことはできそうです。
これもあくまでも一時的。リビングにお通しする来客は、たいていキッチンにも入ってきませんか?
これはキッチンのアラ探しをしようなんて意地悪心ではなく、親切心で。
片付け手伝ってくれるとか、よくありますよね。
もはや、LDKの生活空間にお客さまを通した時点で、キッチンを隠すことは不可能と考えたほうがよさそうです。
⑤料理の臭いがリビングに拡散しにくい。
カウンターキッチンで半独立型の形式なら、臭いの拡散は多少おさえられるかもしれません。対面キッチンの中でもアイランド型などのフルオープン式は例外です。
もちろん完全独立型キッチンならばもっと臭い拡散防止効果は高くなります。なんせ別部屋ですから。
完全独立型 > 半独立型カウンターキッチン > フルオープン = 壁付け
⑥収納が多い
対面の作業スペースの足下収納に加え、背面の壁はすべて収納スペースにすることが可能なので、これは大きなメリットといえそうです。
⑦調理の動線が短い
たいていの対面キッチンはⅡ型に配列されていると思います。
振り返るだけで必要な道具やお皿に手が届き、レンジや冷蔵庫も数歩の移動で済みます。ただし、配膳時はカウンターを避けてダイニングへ移動するので、距離が伸びてしまいます。
と、対面キッチンのメリットを考察しましたが、どうでしょう。
対面キッチンはほんとうに家族のコミュニケーションを促進し、快適な生活を後押ししてくれるのでしょうか?
新しいキッチンを販売したい業界諸々に踊らされているだけではないでしょうか?
とまぁ、被害妄想は置いておくとして、ここからさらにカウンターキッチンのデメリットをあげてみましょう。
3.対面式キッチンのデメリット
①配膳やキッチン外への移動距離がのびる
壁付けキッチンでは、振り返るだけですぐダイニングテーブルへ配膳できますが、カウンターキッチンでは、キッチンスペースの出入り口にまわらないとテーブルに配膳できません。
カウンターに並べると、すぐさまダイニング側にいる家族が配膳してくれるなら問題ないのですがね。どうでしょうね。
また、カウンターの上に物が配置されていてお皿を並べるスペースがない!なんてことも。
②ダイニングの空間がせまくなる
対面カウンターはいうなれば、部屋の仕切りの役割をしますので、視覚的には当然狭くなります。壁付けキッチンならば、仕切りがないので開放的です。窓があればさらに広々空間になりますね。対面式の中でもフルオープンキッチンで吊戸棚をつけないタイプならば解放感は確保できるでしょう。
③目立つカウンターの上が煩雑になりやすい
調理スペースを隠す役割を担うカウンターですが、そのカウンター自体がキッチンの顔となります。要するにもっとも目立つ箇所なのです。
調理道具だけでなく、ダイニング側で置き場所のないちょっとした小物が集まりやすい場所です。ティッシュ箱、常備薬、ふりかけ、料理本、リモコンなどなど。
生活臭がもっとも出やすい場所といっても過言ではありません。
おしゃれキッチンを叶えるならば、カウンター上にオシャレ道具しか置かないという確固たる決意が必要です。
④カウンター上の物が調理スペースに落下する危険がある
カウンターにおしゃれ小物しか置いていないとしても、それが落下する危険性はぬぐえません。
キレイにディスプレイした調理小物をとる際、ちょっと手がすべってダイニング側に落下。なんてことも。運悪くこどもやペットがその下にいることも0%ではありません。
反対に、調理スペースに落下してくることも考えられます。
そこにシンクがあれば水浸し、コンロがあれば火事につながる危険性もあります。
よって、「カウンターの上には何も置かない」が正解です。
さて、それは皆さんが思い浮かべるおしゃれなキッチンの姿でしょうか?
⑤フルオープンの場合、水や油がダイニング側に飛ぶ危険がある
ではいっそ、カウンターを取り払って、手元丸見え上等!フルオープンキッチンにすればおしゃれがキープできるとお考えでしょうか。
それはそれで、水はね、油はねの危険があるのです。
床に水がはねたところでそれほど害はありませんが、油は危険です。
万が一こどもの目に入ったらと思うと恐ろしくて、とりあえず油避けのカバーを設置することでしょう。正直見た目はダサイけど、危険な状況に背に腹はかえられません。
もしくはフルオープンの場合、コンロだけは壁付けにすることをおすすめします。
⑥疎外感を感じる
コミュケーションしやすくなると思って、採用した対面キッチンなのにナゼ?と思われるかもしれませんが、意外と多いと思います。
ダイニングテーブルで複数人の話が盛り上がっているとします。
手元で作業をしながらその会話にうまく入れますか?
女性同士ならなおさら距離が近いほうが親近感が増し、話は盛り上がるものです。
ひそひそ話は楽しいものですが、キッチンに居ては聞こえません。
盛り上がっている姿を目の前に配膳の準備。わたしは召使いか!と腹立たしい気持ちになります。
また、家族が料理の手伝いもせずにダラダラとテレビを見ている姿が目に入っても心穏やかでいられますか?それならいっそ、背中を向けていたほうが気が楽です。
4.壁付けキッチンのメリット
①リビング・ダイニングの空間を広く使える
②振り返ればダイニングテーブルまで一直線なので配膳が楽
③カウンターによる死角がないので家族との距離感が近い
④窓があれば外を眺めながらリラックスして料理ができる
⑤作業スペースが丸見えなので片付けようという気持ちになる
⑥料理に集中できる
こちらもひとつずつ確認していきましょう。
①リビング・ダイニングの空間を広く使える
カウンターなどの仕切りがないので、その分 空間が空きます。
よって、当然キッチンに隣接するダイニングは広くなります。
LDKの生活空間に入ったときに感じる解放感は、圧倒的に対面式キッチンに勝ります。
②振り返ればダイニングテーブルまで一直線なので配膳が楽
テーブルを配置する場所にもよりますが、作業スペースから振り返って直線距離で配膳できます。
なんなら、テーブルの上で盛り付けもできちゃいます。
これなら、こどもに盛り付けのお手伝いをさせることも可能ですね。
③カウンターによる死角がないので家族との距離感が近い
振り返る動作はそれほど面倒なものでしょうか?
足下まで死角なしに見渡せるほうが、安心感があると思うのですが。
また、小さいこどもが居る家庭では、カウンターがあることで母の姿が見えず不安になるなんてこともあるでしょう。後姿だけでも見えてれば安心するはずです。
子は親の背中を見て育つといいますからね。
まずは物理的に実践していきいましょう。
④窓があれば外を眺めながらリラックスして料理ができる
想像してみてください。
朝日を浴びながら優雅に紅茶を入れる自分の姿を。
庭のバラがもうすぐ咲きそうだわ。なんて。
季節を感じながらキッチンに立つと、料理に気合いが入りそうです。
⑤作業スペースが丸見えなので片付けようという気持ちになる
これは人によると思いますが、ダイニングからキッチンが見えているので、食べたら片付けなければ。という気持ちになりやすいと思います。
例えば、来客時の部屋の片づけでも同じことがいえると思います。
とりあえず見えなければOK!としてしまうことありませんか?
散らかった服や雑貨はクローゼットに押し込んで、見えることろだけ綺麗に片付ける。なんてことありますよね?
カウンターキッチンでも同じことが起きると思うのです。
(見えてないから片付けは後でいいや。)
なんて後回しにして、夜中に片付けるのが嫌になり、朝まで持越し、朝1番に散らかったキッチンを見てゲンナリする。なんて生活、イヤですよね?
それならば、いっそ全て丸見えのほうが片付けへのモチベーションはあがるはずです。
⑥料理に集中できる
よく聞こえもしないテレビをちらちら見ては手を止め、 ダラダラする家族の姿を見ては腹を立て、なんてしていたら料理に集中できないですよね。
壁に向かって作業していれば、嫌でも料理と向き合うしかなくなります。
料理に集中して取り組み、調理時間を短く済ませましょう。
5.壁付けキッチンのデメリット
壁付けキッチンのメリットを見てきましたが、デメリットがないのかといえば、もちろんそんなことはありません。
ですが、対策はあるはずです。デメリットと一緒に確認していきましょう。
①横への移動距離がのびる
調理中の動線を考えると、どうしても横移動が増えてしまいます。
ですが、配膳への移動距離の少なさを考慮すれば、それほど苦痛になる欠点ではないかと思われます。
②調理スペースどころかすべてが丸見え
キッチンが丸見えなのはしょうがないので、見せる収納を極めましょう。
おしゃれな調味料入れや一目ぼれしたココット鍋など、実はこだわっている調理用品はありませんか?
ここぞとばかりに見せびらかしましょう。
窓を設置することで視線が外に抜けるので、多少の乱雑さは気になりません。
おしゃれなペンダントライトを設置するなど、とにかく調理台以外に視線を振り分けることでカモフラージュしましょう。
③臭いが拡散する
対面キッチンでも同じことがいえますが、料理は臭いがするものです。
あきらめましょう。
換気扇を回して、窓を全開にし、風通しをよくすることで消臭しましょう。
消臭剤をスプレーしてもいいですね。
④収納スペースが少ない
これは認めざるを得ない敗北です。
壁付けキッチンは基本的にⅠ型なので、吊戸棚と足下収納は1列分しかありません。
あえてⅡ型を採用すれば、収納は増えますが、それはもはやアイランドキッチンでは?となるので却下。
そこで、キッチン裏や横にパントリーを併設することを提案したいと思います。
大型収納はお手のものですし、お客さんが万が一キッチンに来たとしても、わざわざパントリーまで入ってくることはないでしょう。
これで解決です。
⑤後姿を見られる
自分の後姿を自信をもってお届けできるようにシェイプアップしましょう。
6.提案
とりあえず壁付けキッチンの考えられるデメリットを確認しましたが、気に病むほどの重大問題はなさそうです。
あえてあげるならば、やはり収納の少なさでしょうか。
そこで上記で記述したように、壁付けキッチンにパントリー併設が最強。
という結論で締めくくりたいと思います。
7.まとめ
ここまでさんざん壁付けキッチン派の意見を書いてきましたが、
個人的には腰の高さくらいの作業台兼ダイニングテーブルはあってもいいかも…。
なんて若干アイランドキッチン寄りの考えも持ち合わせています。
自分が、どこに向かって調理したいか。
料理に集中したいのか。
庭を眺めながら料理したいのか。
テレビを見ながら料理したいのか。
極力動きたくないのか。
誰かと一緒にキッチンに並びたいのか。
いろいろ重視するポイントは違うと思います。
自分が実現したい料理スタイルが見つかるといいですね。